四葉に込めた一途な執愛


「わあ、すごく可愛い」

「アクセサリーだと重いって思われるかなと思ったんだけど、それを見つけた時に四葉さんのことを思い出して。似合うかなって思ったんだ」


 照れ臭そうに頬を搔く先生があまりにも可愛らしかった。
 私のことを思い出して、私のために選んでくれたことが震えるくらい嬉しい。


「ありがとうございます。大切にします」

「付けてあげる」


 そう言うと先生は私の左腕を取るので、思わずドキッとしてしまう。
 先生がチェーンを外して手首に付けてくれている間、心臓の鼓動がバクバクとうるさかった。


「うん、可愛いね」

「……っ」


 陽生先生、ずるいです。
 こんな風に優しくされたら、私は特別なのかなって勘違いしちゃうじゃないですか。

 自惚れないように必死で自分を律しているのに。
 この想いは伝えてはいけないってわかっているのに。

 どんどん心の中が先生でいっぱいになってしまう。
 欠けた記憶を先生の温もりが埋めてくれる。


「本当は引かれるんじゃないかなってちょっと不安だったんだ。主治医が患者にプレゼントなんて、やりすぎたかなって」

「いえ、嬉しいです。先生は本当に優しいですね」

「誰にもじゃないよ」


 陽生先生は真剣な眼差しで私を真っ直ぐ見つめる。


「誰にでも優しいわけじゃないからね」


 それはどういう意味なの――?


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