四葉に込めた一途な執愛


 未散のことは愛している。
 世界中の誰よりも愛している。

 大切な人だからこそ、幸せになってもらいたい。
 でも、隣にいるのが自分でいいのか自信がない。

 あの時の悲しそうな未散の表情が脳裏に焼き付いて離れなかった。
 私は大切な人を傷つけたのだ。

 それでも彼のプロポーズに頷くことができなかった私は、未散の前から逃げ出した。
 涙で視界が見えなくなりながら、私は外へ飛び出した。


「――危ないっ!!」


 未散の叫びの直後、目の前に車が突っ込んでくるのが見えた。
 気づいた時にはもう遅かった。

 あの時、私の脳を掠めたこと。

 私なんかいっそ、消えてしまえばいい――。


 その直後から意識は途絶えた。

 そして次に目覚めた時、私は白いベッドの上にいて何もかも記憶を失っていたのだ。


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