四葉に込めた一途な執愛
息を切らしながら着いた場所は病院の屋上だった。
あんなに走ったのは久々だから、息が乱れて汗が止まらない。
フラフラしながら、屋上にあるベンチの上に倒れ込むように腰掛ける。
乱れた息を整えている間、ずっと未散の言葉が頭から離れない。
まさか告白されるとは思っていなかった。
未散がまだ私を好きでいてくれていたなんて。
「っ、う……っ」
枯れたはずの涙が再び滲み出る。
本音を言えば嬉しくて嬉しくてたまらない。
彼の手を取って思い切り胸の中に飛び込みたかった。
私も好き、もう一度あなたに恋をしたって伝えたかった。
でも、私ではダメなんだ――……。
「うっうっ、ごめんなさい……っ」
泣きじゃりながら、左手首にクローバーのブレスレットをしていたことに気付いた。
どうやらずっと付けっぱなしになっていたらしい。
四葉のもう一つの花言葉、今ならわかる。
「っ、未散……」
どうしてあなたはそんなにも私を想ってくれるの?
突き放しても記憶を失っても、それでもずっと想っていてくれる。
「僕のものになって」と切なる思いを込めながら。
あなたの一途すぎる愛情に、私は……
「――ちなみっ!!」