四葉に込めた一途な執愛


 みんなから祝福されて、改めて私は未散の妻になるのだという実感を覚えた。
 正直に言えば、まだ胸を張って未散の隣に立てるとは言い難い。
 職場でも大人気の未散の結婚相手が私だと知ったら、どんな反応をされるのだろう。

 高校時代不釣り合いなカップルだと陰口を叩かれたこともあり、私の中の不安は拭えなかった。
 でも未散が優しく寄り添ってくれる。


「俺がちなみとずっと一緒にいたいんだから、他の人なんて関係ないよ」

「未散……」

「ちなみが事故に遭ったと聞いた時、目の前が真っ暗になった。怖くて怖くて仕方なかった」


 未散は少し震えながら私を抱きしめる。


「俺は医者なのに、ちなみを救えないなんて……」

「それは、専門が違うんだから仕方ないよ」

「だから自分にできるだけのことは何でもしようと思ったんだ。ちなみが目覚めるまでずっと傍にいようって。何年でも待つつもりでいた」

「何年でもって……」

「俺にはちなみしかいないからずっと待つつもりでいたよ。記憶を失って俺のことを忘れても……やっぱり俺にはちなみしかいないんだ」

「私もね、記憶は無くしたけど、また未散に恋をしていたの」


 多分私は何度忘れても、また未散に恋をするのだと思う。
 きっと未散以外の人は好きになれない。未散以上に好きになれる人もいないんだ。

 ……ああそうか、この気持ちだけは胸を張って言える。

 私はこの先もずっと、未散だけを愛している。

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