四葉に込めた一途な執愛
「……そんなことを言われたら、離してあげられなくなるな」
耳元で囁いたかと思ったら、未散は軽々と私を姫抱きしてあっという間にベッドの上に下ろされていた。
今日は未散のお家にお泊まりするつもりではなく、両親には帰ると言ってしまったのに。
「待って、私泊まるなんて言ってない」
「大丈夫、俺から伝えておいたから」
「いつの間に!?」
「本当は早く一緒に住みたいのに。ちなみが結婚してからって言うから」
「だ、だって花屋の仕事があるし」
花屋には本格的に復帰して毎日楽しく仕事している。
最近フラワーアレンジメントの資格を取ろうと勉強も始めたところだ。
何か少しでも自分の自信に繋がれば良いと思って、今頑張っている。
だからケジメをつけるためにも同棲は結婚してからにしてもらった。それが未散は少し不満な様子。
「ちなみが頑張るって決めたことだから応援したいんだけど、本当は一秒でも長く一緒にいたい」
「ごめんね……未散に我慢させて」
「いや、俺の心が狭いんだ。ちなみのことになると、どうしても抑えが効かない。重くてごめん」
目尻を下げて謝る未散が、まるで待てのできない大型犬みたいでかわいくて私からぎゅうっと抱きついた。
「ううん、嬉しいよ」
「それじゃあ――今夜はずっと傍にいてくれる?」