淡いピンクのカクテルは、私と彼を甘く誘う~凄腕脳外科医に溺愛されています~

繰り返された浮気

「ねぇ、これで何回目なの?」
知花(ちか)、ごめん。もう本当にしないから……」

新緑が眩しい5月初旬。私の目の前で惨めな姿で謝罪を繰り返しているのは、2年付き合った彼氏、悠稀(ゆうき)

付き合って1年半が経ったとき、『同棲しようか』と提案してきたのは彼の方。

優しくて顔もイケメンな方で、そこそこ収入もある。
でも、時にそれが最悪な事態を招くことになるとは、悠稀と付き合うまでわからなかった。


まず初めに違和感を覚えたのは、付き合って1年が経ったころ。デートの予定がなかなか決まらず『忙しくて』の一点張りだった時期が何度かあった。

大手アパレルブランドのメンズ服企画係として勤務していた悠稀。
……仕事の繁忙期は過ぎてるはず。

なんとなく嫌な予感がした私は、彼の職場で仕事が終るのを待っていた。

19時頃、彼が職場から出て来たかと思えば、知らない女性と一緒に歩いている。

帰宅後問いただすと『ごめん。少し魔が差した……』と言われた。

『誓ってもうしない』と約束し、その後同棲を開始。


今思えば、このとき許したのが悪かった。

次に浮気が発覚したのは、同棲開始後すぐのこと。
話の辻褄が合わないことが多くなり、違和感を覚えた。

結果論としては、黒。というより、真っ黒だ。
< 1 / 55 >

この作品をシェア

pagetop