淡いピンクのカクテルは、私と彼を甘く誘う~凄腕脳外科医に溺愛されています~
こんな風に俺のことをリスペクトしてくれるが、香坂師長もかなり真面目だ。日々忙しいのに患者さんに寄り添っているし、入院中の患者さんからもよく名前が上がることが多い。
42歳とある程度経験も豊富で、俺もよく助けられることがある。
「しばらくは脳外科で入院だ。彼のこと、頼む」
「もちろんですよ。退院になるまで、しっかりケアします」
「よろしく」
香坂師長にそう言い残し、俺は病院をあとにした。
翌朝。今日は外来もなく、回診後はオペ予定。
俺が病棟へと出勤すると、ナースステーションの前で70代くらいの女性が新人看護師の滝波さんと話しているのが目に留まった。
女性はきれいな花束を抱えて、滝波さんになにか訴えているようにも見える。
「滝波、どうした?」
「あ、岡林先生おはようございます。この方、昨日脳挫傷で入院された金山さんの奥さんだそうですよ」
「あぁ、そうだったのか」
「はい。ご主人に、面会したいそうなんですが……」
滝波さんは少し口籠り、金山さんの方へ視線を送った。
なるほどな。
だから訴えかけているように見えたんだ。
滝波さんも、「面会したい」と言った金山さんに、どう返事をしたらいいのかわからなくて困っていたのだろう。
42歳とある程度経験も豊富で、俺もよく助けられることがある。
「しばらくは脳外科で入院だ。彼のこと、頼む」
「もちろんですよ。退院になるまで、しっかりケアします」
「よろしく」
香坂師長にそう言い残し、俺は病院をあとにした。
翌朝。今日は外来もなく、回診後はオペ予定。
俺が病棟へと出勤すると、ナースステーションの前で70代くらいの女性が新人看護師の滝波さんと話しているのが目に留まった。
女性はきれいな花束を抱えて、滝波さんになにか訴えているようにも見える。
「滝波、どうした?」
「あ、岡林先生おはようございます。この方、昨日脳挫傷で入院された金山さんの奥さんだそうですよ」
「あぁ、そうだったのか」
「はい。ご主人に、面会したいそうなんですが……」
滝波さんは少し口籠り、金山さんの方へ視線を送った。
なるほどな。
だから訴えかけているように見えたんだ。
滝波さんも、「面会したい」と言った金山さんに、どう返事をしたらいいのかわからなくて困っていたのだろう。