淡いピンクのカクテルは、私と彼を甘く誘う~凄腕脳外科医に溺愛されています~
私と行ったことないレストランを『前に一緒に行ったよ』とか、『同期と飲み会』とか言って出て行ったクセに、そのことを覚えていなかったり……。
よくよく聞けば、違う女性と会っていたらしい。
それでも、私自身も悠稀と離れるのが嫌だった。
〝執着してる〟と言われたら、確かにそうかもしれない。
でも、悠稀と過ごした時間も大切だった。
勤務先である『フラワーショップ さくら』で、声を掛けられたあの日――。
仕事帰りに『母の誕生日に花束を贈りたくて』と、お店にやって来た悠稀。家族思いの人なんだ……と、感激したのは、今でも覚えている。
それから私たちが付き合うまでに、そう時間は掛からなかった。
色々なところへ出かけ、思い出もたくさんできた。
たくさん愛し合った。
それなのに、この男は……。
「私、悠稀とはもう無理だよ……」
「待てって。また考え直すから」
「……ううん。ちょっと、1人にして」
今思えば、あのとき買った花束はお母さんに渡すものではなかったのかもしれない。
当時付き合っていた女性……ではなく、もしかしたら別の女性に渡していた可能性だってある。
もう、疑い始めたらキリがない。
苦しくて悲しくて。
スマホと財布だけを手に持って、私はマンションを飛び出した。
よくよく聞けば、違う女性と会っていたらしい。
それでも、私自身も悠稀と離れるのが嫌だった。
〝執着してる〟と言われたら、確かにそうかもしれない。
でも、悠稀と過ごした時間も大切だった。
勤務先である『フラワーショップ さくら』で、声を掛けられたあの日――。
仕事帰りに『母の誕生日に花束を贈りたくて』と、お店にやって来た悠稀。家族思いの人なんだ……と、感激したのは、今でも覚えている。
それから私たちが付き合うまでに、そう時間は掛からなかった。
色々なところへ出かけ、思い出もたくさんできた。
たくさん愛し合った。
それなのに、この男は……。
「私、悠稀とはもう無理だよ……」
「待てって。また考え直すから」
「……ううん。ちょっと、1人にして」
今思えば、あのとき買った花束はお母さんに渡すものではなかったのかもしれない。
当時付き合っていた女性……ではなく、もしかしたら別の女性に渡していた可能性だってある。
もう、疑い始めたらキリがない。
苦しくて悲しくて。
スマホと財布だけを手に持って、私はマンションを飛び出した。