淡いピンクのカクテルは、私と彼を甘く誘う~凄腕脳外科医に溺愛されています~
先ほど『プロポーズ用に』と、男性が購入した赤いバラの花を指差す彼。
「24本、ですか……?」
「あぁ。急遽、必要になってね」
「……わかりました。すぐ準備します」
「それから、このカスミソウも貰おうか」
彼の要望通り、赤いバラを24本。その周りにバランスよくカスミソウを散りばめていく。
きれいにラッピングが完成したところで、彼をレジへと案内した。
「2,500円です」
それを聞いた彼は、財布からお金を取り出す。
……きれいな手。
1ヶ月前、このきれいな手に抱かれたのかと思うと、急に恥ずかしくなってくる。
「思い出してくれた?」
「……!」
「図星みたいだね」
ーーあのときもそうだった。
彼と話をしていると、まるで心の中を読まれているような感覚になる。
『岡林』
あの日、泊さんがそう呼んでいた。
彼の名前は、岡林さん。
そして、彼がドクターだということも。
鮮明にあの日のことを思い出した今、どんな顔をしていいのかわからなくなる。
「知花」
不意に名前を呼ばれて、勢いよく顔を上げた。
意味深な笑を浮かべている彼は、完成したばかりの花束を受け取ると、それと交換に小さなメモを私に手渡す。
中身を確認すると、彼の連絡先が書かれていた。
「連絡する。知花に、話したいことがあるんだ」
「24本、ですか……?」
「あぁ。急遽、必要になってね」
「……わかりました。すぐ準備します」
「それから、このカスミソウも貰おうか」
彼の要望通り、赤いバラを24本。その周りにバランスよくカスミソウを散りばめていく。
きれいにラッピングが完成したところで、彼をレジへと案内した。
「2,500円です」
それを聞いた彼は、財布からお金を取り出す。
……きれいな手。
1ヶ月前、このきれいな手に抱かれたのかと思うと、急に恥ずかしくなってくる。
「思い出してくれた?」
「……!」
「図星みたいだね」
ーーあのときもそうだった。
彼と話をしていると、まるで心の中を読まれているような感覚になる。
『岡林』
あの日、泊さんがそう呼んでいた。
彼の名前は、岡林さん。
そして、彼がドクターだということも。
鮮明にあの日のことを思い出した今、どんな顔をしていいのかわからなくなる。
「知花」
不意に名前を呼ばれて、勢いよく顔を上げた。
意味深な笑を浮かべている彼は、完成したばかりの花束を受け取ると、それと交換に小さなメモを私に手渡す。
中身を確認すると、彼の連絡先が書かれていた。
「連絡する。知花に、話したいことがあるんだ」