淡いピンクのカクテルは、私と彼を甘く誘う~凄腕脳外科医に溺愛されています~
その場のノリで入ってしまった私に、店員さんが声を掛けてくれる。

……内装までおしゃれだ。
暗い雰囲気でもなく、かといって派手すぎず。落ち着いた雰囲気のお店。

まだ夜の20時を過ぎたところだからなのか、何組か人が入っている。


「お客さん、1人?」

「えっ、はい。そうです……」
「カウンター席空いてるから、好きに座って」


入り口付近で突っ立っていた私に声を掛けれくれた店員さんは、カウンター席を案内してくれると別のお客様のところへとカラフルなカクテルを運びに行ってしまった。

案内された通り、カウンター席の1番端っこに腰かけてメニュー表を開く。


「すごい……めっちゃカラフル」


メニュー表に載っているカクテルは、どれもこれもカラフルな色合いできれいなものばかり。


「お客さん、決まったかい?」

「えっ……まだ迷ってて」
「きれいだろ? 今の気分に合わせてオーダーする人も多いよ」


そう言われて、もう一度メニュー表に目を移すと、横には『カクテル言葉』という説明書きが丁寧に書かれている。

そんな言葉聞いたこともなくて、興味深い。


「カクテル言葉……って、なんだか素敵」
「あはは。まぁ、知ってる人は少ないんじゃないかな?」

「いえ。こういうの、素敵です」
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