淡いピンクのカクテルは、私と彼を甘く誘う~凄腕脳外科医に溺愛されています~
心配そうな表情の友香梨。
彼女も体調が優れなくて辛いはずなのに、心配掛けてしまって申し訳ない。


「もう大丈夫。全部終わったから」
「終わった?」

「そう。なんか、言いたいこと全部言って終わりにしたの。スッキリしちゃった」


「うん? それは、よかったね?」と、〝?〟マークでいっぱいの友香梨。

でも、本当に全部終わり。
私は幸聖さんと生きていくって、そう決めたから。

この気持ちは、ずっと変わらない。


「さて、仕事しよ!」


中途半端な説明に友香梨は納得出来ない様子だっだけれど、また後日話すとして。

気合いを入れ直して、私は仕事に集中した。


* * *

「お疲れ様でした」


閉店後。まだお店に残っている店長に声をかけ、私は帰路につく。

途中でスーパーに寄って夕飯の食材を買い込むと、幸聖さんが待つマンションへと急いだ。


今日も素敵な1日だったな。

私が接客したわけではないけれど、今日は赤いバラの花束を108本オーダーしていた男性がいて、それを受け取りに来たらしい。

対応していてもいなくても、そんな話を聞くと気持ちがほっこりする。それが、この仕事の醍醐味でもあると、私は思っている。

今日のことを思い出しながらマンションに到着し、エレベーターで17階へと向かう。
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