無気力系幼馴染の溺愛ライフ
「奏、準備できた?」

声を掛けられ、時計を見るとほぼ家を出る時間になっていた。

扉を開けるとそこには制服をまとい、髪を緩く巻いたりのんがいた。

「目の前に天使がいる…。」

そう言ってりのんに抱き着く。

「んぇ?そ、奏?」

び、びっくりして心臓が…。

「は、早く家でないと!遅刻しちゃうよぉ…!」

「そうだけど、こんなかわいいりのんほかに人に見られたくない。」

「か、かわいくないよ⁉」

「ん-ん、世界一可愛い。」

「んんん?」

照れて顔を隠すように下を向く。

「照れてんの?本当にかわいい…。」

「も、もう家でないと遅刻しちゃう!!!」

うぅ…、顔熱いよぉ…。

顔を赤くしながらもなんとか離れて、玄関に向かう。

「はいはい、一緒に行こうか。」

「うん…、ってなんで手つないでるの?」

「え?りのんの周りに変な虫が寄り付かないようにするためだよ。」

「えぇ…。そんなことしなくても、そもそも私、虫苦手だから助けてくれるでしょ?」

「まぁ、そうだけどさ。」

しょぼんとしながらも手は放してくれた。

手、離さないほうがよかったのかなぁ?

そうこうしてるうちに、最寄り駅につき電車に乗る。

電車の中にはたくさんの社会人と学生、中には小学生もいた。

「開いている席ないね…。」

星ヶ谷(ほしがや)駅につけば座れるようになるよ。」

「座れるといいなぁ。」

星ヶ谷駅まで二駅ほど。

乗り換える人が多いため人が少なくなる。

なんかさっきから視線が痛い…。

電車に乗ったとたんみんな奏のことを見ている。

こんなイケメンなら誰でも見てしまうだろう。
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