無気力系幼馴染の溺愛ライフ
またすぐそういうことを言う…。

照れながらもりのんは自己紹介を始める。

「今年入学する五月女りのんです。いつも奏がお世話になってます…。」

「私は有明友菜(ありあけゆうな)です。生徒会所属で副会長を務めています。何かあれば声をかけてくださいね。りのんちゃんと呼んでも構わないですか?」

微笑む顔はみんなが憧れるであろう、まさに美少女だ。

「は、はい、大丈夫です!」

「ところで、会場までご案内しましょうか?」

「いや、俺がりのんを会場に連れていくから大丈夫だ。友菜は準備にとりかかっていてくれ。」

「奏、あなたが本来やることですよ?本番までずっとやらせるつもりですか?」

「りのんを連れてったらちゃんとやるから。」

「まぁ、心配はそこまではしてませんけども…もう少しちゃんとしてほしいです。」

友菜をおいて、りのんを連れて会場に向かう奏。

会場に近づくにつれ、人の視線がこちらに集まってくる。

「あの二人みて…すごい美男美女…。」

「あの男の子イケメン…。」

「あの子めっちゃ可愛い。」

などざわざわ聞こえてくるがりのんには誉め言葉よりも、悪い言葉のほうが聞こえてくる。

「あの男の子かっこいいけど、女の子のほうはかわいくない。」

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