無気力系幼馴染の溺愛ライフ
先生の話は明日何をするかの予定と一応ということで持ち物も知らせてくれた。

特に長い話をするでもなく、必要な連絡事項だけを知らせ解散となった。

初日ということもあり、少し残って交流する生徒が大半だ。

「りのんちゃんと隣の席でよかったぁ…。」

そう言うのは入学式前に知り合った、羽唯だった。

「ほんとに羽唯ちゃんの隣でよかったぁ…。」

「ねぇ~。…りのんちゃんすごい居場所が悪そうな顔してるけど、どうしたの?」

「ちょっと、視線がね…。なんか見られてる感がすごくて気まずいというかなんというか…。」

りのんは少し(うつむ)き、スカートをきゅっと握っている。

「大丈夫だよ~、みんなりのんちゃんが可愛くて見ちゃうんだよ~。
それに、今日ここに来るときにあの超絶イケメンな生徒会長と仲良く学校に来たからみんな気になるんだよ。」

「私はそんな、普通だよ?それに奏はただの幼馴染だもの。特別な関係とかではないのに…。」

「そんな謙遜しないでよぉ~、りのんちゃんかわいいんだから!それにしてもあんなイケメンな人が幼馴染とか憧れるなぁ…。」

羽唯はまるで夢見がちな少女のような表情をする。

小説や漫画では確かにイケメン幼馴染との恋愛、というのは王道だ。

それに憧れる少女は少なからずいるだろう。






< 22 / 32 >

この作品をシェア

pagetop