無気力系幼馴染の溺愛ライフ
羽唯がいいないいなぁ…としている時、横から声がかかる。

「五月女さん、もしよければ連絡先交換しない?」

いかにもクラスの一軍のような男子に声をかけられた。

「えぇっと…。」

困ったような顔をしていると付け加えるように

「後でクラス用の連絡網作るからさ、先に繋がりたくて…ダメかな?」

「そういうことなら…これ私の連絡先です。どうぞ。」

「ありがとな!あ、自己紹介するの忘れてたわ、俺、桧山(ひやま)静稀(しずき)よろしくな!」

「ご存じだとは思いますが、五月女りのんです。よろしくお願いします。」

やっぱり、男子はちょっと苦手かも…。

りのんの通っていた中学校は女子高だったため、同年代の男子(奏以外)を前にすると緊張してしまうのだ。

「同級生なんだから敬語じゃなくていいのに~、気楽に行こうぜ~。」

りのんは戸惑っていると羽唯が助け舟を出してくれた。

「桧山?だっけ?りのんちゃんが困ってるからそこまでにしておいて。」

むすっとした顔で静稀を見る。

「はいはい。やめますよ。それじゃぁ、りのんちゃんまたね!」

静稀が去るまで羽唯は睨みつけていた。

「羽唯ちゃんの知り合いなの?」

「あー、うん。同じ中学校だった人。でもあまりいい噂聞かない人だから要注意だよ。」

「わ、わかった…。」
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