無気力系幼馴染の溺愛ライフ
「聞く限り奏先輩ってりのんちゃんの事好きだよね絶対に。」

目を輝かせながら、こちらを見る羽唯。

「そんなことはないと思うけどなぁ…。だって小さいころからあんな感じだし…。」

「でも、奏先輩ってほかの女子生徒には冷たいっていう噂というか、この前奏先輩が2年生の女子生徒の先輩に告白されてるとこ見かけちゃったんだけど、『誰?俺、君の
こと知らないし興味もないけど。』って言って振ってるとこ見ちゃったし…。」

「でも奏はいつもそんな感じだからなぁ。」

「でも、りのんちゃんの話を聞く限り絶対に奏先輩はりのんちゃんの事好きだと思うけどなぁ。」

「ただの幼馴染だよ?そんなことないと思うけどなぁ。」

うーん…と考えているとチャイムが鳴り授業開始となった。

 午前中の授業がすべて終わり昼休み。スマホの通知欄には奏からのメッセージが届いていた。

『準備終わってからでいいから、朝言った通り屋上に集合。』

待機の文字が入った、無気力そうな猫のスタンプを添えて送ってきていた。

りのんは授業で使用した教科書などを片付け、お弁当と水筒を持って屋上に向かおうとすると羽唯がこちらに声をかけてきた。

「りのんちゃんどこか行くの?」

「奏に屋上集合って言われちゃってて…。本当は羽唯ちゃんと食べたかったんだけど…。」

申し訳なさそうにしょんぼりとしてしまうりのん。

「大丈夫だよ!早く奏先輩のとこに行っておいで!その代わり、どうだったか話聞かせてね!」

と快く送りだしてくれた。
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