天河と七星

私は半信半疑で椅子から立ち上がる。
天河は私の椅子に座ると見たことのないシステムを立ち上げた。しばらく操作していると一瞬にして結果の画面に切り替わる。

「え?どういうこと?」
「この赤くなったところだけ修正が必要だね。あとはオッケー」
「ウソ……」

立ち上がった天河にかわってパソコンの前に座り、画面を見る。
確かに終わってる。ウソでしょ、彼は一体何をしたっていうの?

あっけにとられた私の背後から特大のため息が聞こえた。

「前任の山口から、データ処理をもっと効率的にこなせるようにしてほしいと依頼されていてね。
時間とれなくてこのシステム作るのに二ヶ月もかかってしまった。まだ改良の余地はあるけど、あとはシステム開発部に任せて誰にでも使いやすいようバージョンアップしてもらおう。これで楽になるはずだ」

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