天河と七星
アメリカに行くと宣誓した私に、天河は目を輝かせた。

「なら、僕と一緒にアメリカに行こうよ。僕、向こうの大学に通うから。
僕は七星とずっと一緒にいたい。中條の家でひどい思いをしているなら、僕が家族になって七星を守りたい」

天河が私の家族に?
まるでプロポーズみたいな告白。唐突すぎて戸惑う。

「ちょっと、待って?付き合ってもいないのに?」
「今日から恋人になろう。
七星。僕を選んで。
こんな強い感情は今まで感じたことがない。どんどん湧き上がってきて燃えるように熱い」

すごく感情的だけど情熱的な告白。
胸が高鳴るのは、戸惑いだけじゃなさそう。

「話の展開が急すぎるよ」
「時間をかければいいってものじゃない。勢いも大事。時間は有限なんだ。それなら少しでも長く七星と共有したい。
まず婚約しよう」

告白の次は婚約。光の速さで話が進む。
さすがにちょっと…心配。

「金銭面は心配ないよ。勉強がてら小遣いを投資していて一般会社員の年収くらいは稼いでる。貯金もそれなりにあるから。
体が弱いのが一番のネックだけど、アメリカで最先端医療を受ける。僕は今のままでいいと思ってたけど、七星に出会って欲張りになった。
七星と一緒にいられるためなら何でもする」
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