天河と七星
一途に私を見つめてくれる天河。
私だって天河が好きだ。でも、さすがに性急過ぎると、私の中の良識がブレーキをかける。

だけど。

想像してしまった。
天河と一緒に暮らしていく日常。

きっと毎日が好きであふれる。

天河となら毎日が絶対楽しい。

幸せな未来への願望が、私の心を勢いよく大きく揺さぶった。

ーー目の前にある幸せを掴まなきゃ、何も始まらない。


「私も。
ずっと一緒にいたい。天河が好き」
「七星…」

初めて重なった唇は震えていた。
親のいない私は天河に出会うまで、誰かにこんなに優しく抱きしめられたことはなかった。
包まれる安心感。
天河の鼓動が聞こえる。幸せの音だ。

私は心地よいぬくもりに体を預けた。

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