天河と七星
「ご無沙汰しています、七星さん。いかがですか、新プロジェクトは」
現れたのは大河さんだった。
何と答えようか迷う。大河さんは私のことをどう思っているのだろう。
「噂には聞いていましたが、すごいですね」
「社運をかけたビックプロジェクトなんです。
俺は広報担当、天河はプロジェクトリーダーとして駆り出されて。七星さんのご協力もお待ちしています」
私の協力なんて言ったということは、私の存在をを肯定してくれているようだ。
こんなスケール大きいプロジェクトで私にできることなんて何も無さそうだけど。
大河さんがふと腕時計を見た。
「天河、そろそろ時間だぞ」
「わかった。僕は大河とゲストを出迎えに行ってくる。七星はここで待ってて」
大河さんに天河の車椅子を託す。私は会場の隅に移動した。