天河と七星

鋭い視線を感じて見ると、七海が鬼の形相でこちらをにらみつけていた。

「七星のくせに。笑わせないで」

狂気に満ちた七星の笑みにゾッとする。

「その人が父親?今は博士だかなんだか知らないけど、学生だった菜那子おばさまを妊娠させたクズでしょ。
結局、七星はクズの娘なのよ。
本当に苛つく。
中條家の令嬢は私ひとりで良かったの。そうすればもっと贅沢できて幸せだった。
主役は私一人でいいの。七星は目障りなのよ!」

七海は感情的になって、テーブルの上のものを手当たり次第に投げつけてきた。
相変わらず気に入らないことがあると暴れるのか。
床に料理や割れた食器が散らばっていく。

「七海、もったいないことするなよぉ。うまいのに」

大輔さんは七海を止めようともせず、気に入った料理を抱え込んで食べ続けている。

そんな二人に、天河はひどく冷たい視線を投げた。
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