【完結】夢交差に輝き満ちて

「俺は、吟遊詩人になる――!!」

 学校の教室で、また彼は突拍子もない事言う。

「いいだろ、世界中を飛び回って旅してさ! 愛を~唄うんだよ~~♪」

 放課後、教室の机に座って笑う男の子。

 喜瀬川(きせかわ)君。

 彼は私の好きな人。

 でも関係は、お友達。

「愛? よ、よくそんな恥ずかしい事言えるねぇ?」

 あぁ、また私は変なこと言っちゃう。
 でも、恋だって恥ずかしいのに、愛だなんて。
 そんな事フツー言える?
 この青春真っ盛りの私達のなかで、愛なんて口に出すのは彼だけだ。

「愛がこの世で1番大事だろ~? わかる? アンダスタ~ン?」

「知らないよ! バカ」
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