【完結】夢交差に輝き満ちて

 愛だのなんだの叫ぶ男が、どうして目の前にいる女子の恋心に何故気付かないのか。
 なんにも理解できないよっ。
 友達同士という関係で、今日も喜瀬川君が歌う変なラブソングを聴く。

「あ~歌ったぜ! 今日も、夢につながる第一歩踏み出せたよなぁ!」

「ポジティブだねぇ……」

 呆れながらも笑い合うのが、私達の友達関係なんだけどさ。

「歌めっちゃウケる~! 喜瀬川~なんの話してるのぉ~~? ねぇ~この後、遊びに行こうよ。これから受験に必死にならないとだし、今のうちにさ☆」

 急に話に入ってきたクラスで1番可愛い子。
 細くて白くて、目がぱっちりでオシャレ。
 彼女が来たら、空気の匂いが変わった気がする。
 いや、実際いい匂い。

「受験なぁ~お前はどんな夢目指してんの?」

「あたしは、とりあえず大学かな?」

「それって夢なん?」

「え~夢とか~別に無くない~? ウケる~。でも喜瀬川のそ~ゆとこ、いいよね~」

「あはは! 夢とか無いのがウケるのかよ」
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