人狼様と魔王の側近
「ありがとう、クラル」

ルーチェは深呼吸を繰り返し、呼吸と鼓動を落ち着かせていく。そして紅茶に口をつける。黒糖のような甘みが口の中に広がり、ルーチェは「おいしい」と呟いた。

「みんな、休憩にしよう」

クラルがそう言うと、ティムが真っ先に「は〜い！」と手を挙げて走ってきた。その次にアーサーが「お腹空いた」と言い、ヴィオレットは何も言わずとも目を輝かせながらこちらへやって来る。

「おお！サンドイッチ、うまそ〜！」

籠に入れられたサンドイッチを見てアーサーが目を輝かせる。サンドイッチはサーモンなどが入った魚介系、ハムなどが入った肉系、フルーツの入ったものまでたくさんの種類がある。

「こんなにたくさん作ってくれていたなんて……」

ルーチェはそう呟きながら、家を出る前に籠を渡してくれたノアの顔を思い浮かべる。「開けたらびっくりするわよ」とウインクをしながらノアは言っていた。

「どれもおいしそうだね。迷うなぁ」

ティムはそう言いながら、フルーツサンドを手に取る。その隣ではヴィオレットがすでにサーモンのサンドイッチを頬張っていた。
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