人狼様と魔王の側近
「アルストロメリア?シャムロック?」
今度はクラルたちが首を傾げた。肩あたりまでの黒髪の男性が「そんな国、聞いたことがないよ」と言い、ヴァイオレットたちが顔を見合わせた。
「もしかして僕たちはーーー」
フェリシアーノが何かを言いかけた時だった。「ねぇ、あれ何?」と白髪の男性が近くの壁を指差す。ゴツゴツとした壁に先ほどまではなかった赤い文字が浮かび上がっていた。
『その洞窟に潜んでいるのは巨大な蛇だった。蛇は獰猛で、その姿を見て生きて帰れた者は誰一人としていない』
「何だろう、この文章……」
イヴァンがそう呟いた時だった。ズルズルと何かが這いずり回る音が聞こえてくる。その音はどんどん大きくなり、こちらに近付いているのだとわかった。
ヴァイオレットは後ろを振り返る。薄い闇の中から、赤く血走った目を光らせた大蛇が姿を見せた。その姿は洞窟の天井に届いてしまいそうなほど大きく、赤く細長い舌をチラつかせている。
蛇が噴気音を発する。ヴァイオレットが悲鳴を上げた。イヴァンがヴァイオレットを守るかのように前に立ち、杖を向ける。オリバー、サクラ、そしてクラルと二人の男性も杖らしきものを構えていた。
今度はクラルたちが首を傾げた。肩あたりまでの黒髪の男性が「そんな国、聞いたことがないよ」と言い、ヴァイオレットたちが顔を見合わせた。
「もしかして僕たちはーーー」
フェリシアーノが何かを言いかけた時だった。「ねぇ、あれ何?」と白髪の男性が近くの壁を指差す。ゴツゴツとした壁に先ほどまではなかった赤い文字が浮かび上がっていた。
『その洞窟に潜んでいるのは巨大な蛇だった。蛇は獰猛で、その姿を見て生きて帰れた者は誰一人としていない』
「何だろう、この文章……」
イヴァンがそう呟いた時だった。ズルズルと何かが這いずり回る音が聞こえてくる。その音はどんどん大きくなり、こちらに近付いているのだとわかった。
ヴァイオレットは後ろを振り返る。薄い闇の中から、赤く血走った目を光らせた大蛇が姿を見せた。その姿は洞窟の天井に届いてしまいそうなほど大きく、赤く細長い舌をチラつかせている。
蛇が噴気音を発する。ヴァイオレットが悲鳴を上げた。イヴァンがヴァイオレットを守るかのように前に立ち、杖を向ける。オリバー、サクラ、そしてクラルと二人の男性も杖らしきものを構えていた。