人狼様と魔王の側近
すぐに呪文を唱え、槍から守る盾をルーチェたちは作る。盾に勢いよく槍が当たり、大きな音が辺りに響いた。

「次から次へと奇妙なことが起こりますね……」

サクラが息を吐きながら言う。しかし、何が原因でこんなことが起きているのかわからない。その時、壁に触れていたヴァイオレットが「もしかしたら、ですが……」と呟く。

「この壁は小説になっているんじゃないでしょうか?何か書き込んでみたらどうでしょうか?」

「なるほど……」

ヴィオレットが呟き、「何か書いてみようか」とクラルたちの方を見る。これは一か八かの賭けだ。うまくいかない可能性もある。しかしーーー。

「うまくいくかどうかは、やってみないとわからないよね」

ルーチェはそう言い、壁に近付いていく。壁の近くにはクラルがおり、ルーチェは彼を見た。

「クラル、何か書いてみてもいいかな?」

「ルーチェ、君にお願いするよ」

全員が注目する中、ルーチェは呪具を構える。呪文を唱えると呪具の先から鋭い光が現れた。呪具を動かすと、ゆっくりと文字が洞窟の壁に刻まれていく。
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