人狼様と魔王の側近

木漏れ日が差し込む中、ヴァイオレットとイヴァンは手を繋いで歩き出す。淡い光のスポットライトは美しく、ヴァイオレットは絵画に登場しそうな光景だと思った。

その時、イヴァンは何かの気配を感じたようだ。目が警戒で鋭くなり、「ヴァイオレット！」と言いながら彼女を背後に隠す。杖を取り出し、気配のした方に構えた。

「フェーストユ！」

サクラの声が森に響く。刹那、軽やかで明るい音楽が鳴り響き、ヴァイオレットとイヴァンの立っている地面が土や草の生えたものではなく、まるで夜会が開かれるホールのような大理石の床になる。

「イヴァン、ヴァイオレット、おめでとう！！」

そう言いながら空中からフェリシアーノが姿を現す。彼は笑顔で二人に杖を向けた。杖の先から花びらが出て、ヴァイオレットとイヴァンに花の雨を降らせる。

「綺麗……」

ヴァイオレットが呟くと、フェリシアーノは得意げに笑った。それを見てイヴァンがムッとした顔で「フェリシアーノ、ヴァイオレットは僕の妻だから」とヴァイオレットを背後に隠した。戸惑うヴァイオレットにフェリシアーノがニヤニヤしながら言う。