人狼様と魔王の側近
「イヴァン〜?嫉妬は見苦しいよ〜?」

「嫉妬じゃない!夫として妻を他の男から守るのは当然で……」

そんなことをイヴァンとフェリシアーノは言い合い始め、ヴァイオレットはイヴァンの気持ちに喜びを感じつつも、どうすべきかわからず戸惑う。すると「ヴァイオレット様」と背後から声をかけられた。

「サクラ様!オリバー様!」

サクラとオリバーが立っていた。サクラの手にはかすみ草で作られた花束がある。

「フェリシアーノが勝手なことを言い出してしまったすみません」

申し訳なさそうにするオリバーの隣で、対照的にサクラは微笑んでいる。

「ヴァイオレット様、改めておめでとうございます」

サクラに花束を手渡され、ヴァイオレットは「ありがとうございます」と言いながら受け取った。ふわりと優しい甘い香りが漂う。

「お前ら、いつまでやってるんだ!」

オリバーは、未だに言い合いをしているイヴァンとフェリシアーノの間に立ち、仲裁を始めた。二人は最初のうちは「でも」「だって」と言っていたものの、オリバーの説教に口を閉ざす。
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