人狼様と魔王の側近
その様子を見てヴァイオレットとサクラは笑い出した。これでは誰が一番この中で歳上なのかわからない。ヴァイオレットとサクラの笑顔を見たイヴァンとフェリシアーノは顔を赤くし、「話を聞いているのか!」とまたオリバーに怒られていた。



オリバーの説教が終わった後、ようやくパーティーが本格的に始まった。呪文を唱えながらサクラが杖を一振りすると、豪華な料理の並んだテーブルが現れ、しばらく説教をされたことで疲れた様子のイヴァンがヴァイオレットの隣にやって来る。

「イヴァン様、大丈夫ですか?」

「問題ないよ」

「何だかお疲れのように見えます」

「オリバーの説教は久々だったからね」

彼はそう言い、苦笑した。しかし学生時代を共に過ごした友人との思い出を思い返しているのか、彼の目は優しいものだった。ヴァイオレットはそんなイヴァンを見て微笑む。

「ヴァイオレット」

イヴァンが彼女に視線に気付いたのか、こちらを見る。紫の瞳と青い瞳が絡み合い、熱を帯びていく。
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