人狼様と魔王の側近
「僕と、踊ってくれませんか?」

イヴァンが手を差し出す。ヴァイオレットは胸を高鳴らせながら「はい」と言い、その手を取った。互いの温もりに頰を赤くさせながら、ホールの中心へと移動し、踊り始める。

フェリシアーノたちに見られていることにヴァイオレットは恥ずかしさと緊張を覚えたものの、イヴァンと踊ることができることに喜びを感じていた。イヴァンのリードに合わせ、ヴァイオレットはステップを踏む。自然と顔には笑みが浮かんでいた。

踊り終わると、「すごく素敵なダンスだったよ!」とフェリシアーノが言い、サクラとオリバーも手を叩く。それに照れ臭そうに二人は笑いつつ、お辞儀をした。

「サクラ、せっかくだから踊ってくれない?」

「はい。喜んで」

フェリシアーノの誘いにサクラは応じ、今度は二人が中央に立ち、踊り始める。王族であるフェリシアーノはもちろんダンスが上手で、サクラもダンス文化のない東洋出身とは思えないほど軽やかに踊る。
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