海が凪いだら迎えに来てね〜元カレ海上保安官に極秘出産が見つかるまでの軌跡〜



凪砂は、何か問題でも?みたいな涼しい顔をして私を見ている。


「いや、まずいつ両親に会ったの!?私聞いてないけど!!」


海外にいるはずの両親と凪砂が会うなんてあり得ない話だ。


「あの事故の後、すぐに徳島にいってお前と結婚させてほしいって頼んだら、あっさり承諾してもらえた」



──…なぜ誰も教えてくれないの?



「こ、この婚姻届けはっ!?!」



洋平と美優ちゃんの名前が書かれている。さっきこれを書く時間なんてなかったはずだ。




「洋平に取りに行ってもらって、証人の欄を前もって二人に書いてもらってた。それをさっき受け取って、ベランダで俺の自分の欄記入して・・・お前が準備してる間に勝手に印鑑借りてここに押しといた。」



いやいやいやいや、人の印鑑勝手に使うとか、それ…犯罪では?



「ってか!!!家って!?家って何!?何の話・・・」

「お前と瀬凪と、三人で住むための家。一軒家、もう買ってある。」




何でっ、、何で勝手にそんなこと、、




「瀬凪がいるのに、マンション暮らしなんて嫌だろ?周りに気を使ってお前も気疲れするだろ。だから一軒家買った。」



──私、そんなこと凪砂に頼んだ?



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