海が凪いだら迎えに来てね〜元カレ海上保安官に極秘出産が見つかるまでの軌跡〜




『──絶対・・だ。【絶対の約束】、今ここで使う・・・絶対に約束する。俺がお前と子どものそばに居る、約束する。』




──絶対の約束




それはまだ俺たちが付き合っていた頃、萩花が言い出した約束のことだ





当時の俺は萩花に甘えて、約束なんて何一つ果たしてやった覚えがない




だからこの絶対の約束ってやつを、萩花がいつ使ってくるのかと思っていたが、萩花がそれを口にすることは結局最後まで無かった。





でも俺はこの期に及んで、それを利用してやろうと思っている。今までまともに守ってやらなかった約束。だから逆にこれを使えば、信じて貰えるんじゃねぇか、なんて──


俺はいつだって、お前が用意してくれた道の上を歩いている気がする。




「バカ・・・なずっ・・・」





萩花の頬に涙が伝った・・・ー



あぁ、俺はバカだな。





あの時お前の手を離さなければっ・・もしも時間を戻すことができるなら、引きずってでも今日お前がこの船に乗ることを阻止する





「──大好きだよっ・・凪砂」




そう言って目を閉じた萩花の手をギュッと握る。




──なぁ、萩花



俺のこの重すぎるくらいの、お前への愛情を・・・お前は受け止められるか?




先のことを考えるのはもう辞めだ。



萩花ー・・・悪いが俺はもうお前を離してやるつもりはない。


だから、、早く起きろよっ

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