海が凪いだら迎えに来てね〜元カレ海上保安官に極秘出産が見つかるまでの軌跡〜
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「─…っな!っなずなってば、」
やけにうるさい萩花の騒ぎ声で目が覚めた。
目の前にいる、俺の嫁・・・萩花が包丁を持って立っているのが視界に入った。
─…何だ、これ・・・俺殺されんの?
「凪砂っ!いい加減起きないと、瀬凪が今日はパパと公園行くって約束したのにぃ〜ってずっと泣いてるんだけど!!」
相変わらず気性の荒い萩花は、料理中だったみたいですぐに戻って行った
─…やけにリアルな夢だった
少し前のことなのに、遠い昔のことのような気がする。
起きてリビング向かうと、何よりも愛おしい嫁と息子が騒いでいる光景が視界に入ってくる。
───あぁ、俺は今日も幸せだ
なんて、どっかの詩人みたいなことを平気で考えてしまうくらいに、俺は平和ボケしている。
……なぁ、優香。
あの頃俺の嘘に付き合ってくれてありがとう。
萩花に再び会わせてくれてありがとう。
いつか俺がそっちに逝ったらその時は、、
一言、文句言わせろよ。
『"中嶋"って俳優の事だったのかよっ!』
Nazuna side
END.