【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
「懐かしい、おばあちゃん」
「可愛い孫よ、おいで。お前にいろんな話をしよう。茜も、さぁおいで」
「はい、とりババ様」
「とりババ?」
「不死鳥に仕えるババアさ……みんなそう呼ぶ」
桃花の祖母のお付きの女性が、お茶を持ってきてくれた。
座布団の上に座って、お茶を飲みお菓子をつまんだ。
まるであの村にいるような錯覚を覚える。
「おばあちゃんが生きてるって……お父さん達は知っているの?」
「もちろんじゃよ……すまんの、嘘ばかりついて……」
「二人もそう言ってたけど、理由があるんだし仕方ないよ。謝らないで」
「優しい子じゃあ……。うちは代々、不死鳥様に仕える一族だったんじゃ。だからあの日、不死鳥様の鏡を息子に託した」
おばあちゃんの息子なので、桃花のお父さんだ。
「……そうだよね、だっていつも私、お社に行ってた……なのに、突然まるで無関係だったみたいに……もう近づいてはダメだと言われて……混乱しちゃったのは覚えてるよ」
幼いながらも大好きな場所を禁止されたショックは覚えている。