【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~

「巫女になる儀式。お前の誕生日まであと一年! 特訓じゃ!」

「はい……!」

 まずは桃花が今持っている能力を測定する事から始まった。

「誕生日の一年前から、力は強くなると言われている。もう村で隠すことはできないから学園に来ることになったんだ。ギリギリまで父さん達はお前と一緒にいたかったんだろう」

「そっか……だから入学式のあとに……」

「報告では、苺様を守るために結界を張って治癒術を使えたらしいね」

「でも必死だったから、やり方もよくわからないの」

「まさか巫女の儀式前にそこまでの力があるとは思わなかったよ」

「この力で紅緒くん達の助けになりたい、できるかな?」

「なれるさ、飛鳥様達どころか世界をも救えるかもしれない」

「わ、私がそんな?」

「そうじゃ! だからお前を絶対にあいつらには渡さない! お前も自分の身を守る術を学ぶんだよ」

「はい!」

 しかしあの時は必死の思いで発動できたからか、言われてやろうとしても何も出なかった。
 それから全く何も知らない桃花に、まず知識として本を読みながらの勉強。

 飛鳥達、人間を守る『紅刃斬』
 蒼玉と呼ばれた少年の人間を餌食にしようとする『蒼審騎』

 均衡を保つために長きに渡る戦いをしている……。

 そして少し術の使い方を教えてもらい、明日もまた特訓で来る事になった。
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