【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
「わぁい、コンビニの肉まんだーあつあつ!!」
「コンビニが嬉しいのか?」
苦笑しながら紅緒は既に肉まんを食べ終えて、アメリカンドックを食べている。
「うん。村には商店しかなかったし! コンビニの肉まん憧れてたんだ」
「そっか。……村から出て、寂しい気持ちはあるのか?」
「えっ……うーん、まだあんまり実感ないんだよね」
「そうだよな。まだ3日……桃花、あのさ……」
一瞬、紅緒が言いにくそうな空気で言った。
「紅緒くん……?」
「お前、実際……村に恋人とかいたの?」
ハムっと肉まんを頬張った桃花は『!?』となる。
「こ、恋人なんか……いっいるわけないよ!!」
「そうか。昼間の話聞いて、俺はそういうの何も考えずにいたなって気付いてさ……当たり前のように桃花が、俺の……」
「え?」
「いや、ホットドッグ食いながら言うことでもないな。じゃあ、今はいないんだな?」
「いないよ! っていうか過去にもいた事なんかないっ!!」
「わかった……そぉか」
バグバクと紅緒はホットドッグを頬張っている。
ちょっと安心したような……顔。