【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~

「総長、これはつまり」

 辰砂が紅緒を見る。

「あぁ……『蒼騎審』の起こした事件だろうな」

「行方不明になった子は小坂麗子……ふぅ~ん、1年C組か……小坂グループの令嬢かな~」

 今日はロングヘアをポニーテールにしている、珊瑚が言う。

 珊瑚は見た通り女の子へのサービス精神が旺盛で、女の子からは大人気。ファンクラブもある。

 ちなみに隠れファンクラブは、紅緒から苺まで全員あるらしい。

「残されたスマホに、何か証拠は……?」

 顔写真を見ても桃花は当然、見覚えはない。

「スマホのロックは解除されたらしい。午後は授業をサボって、詳しい事を聞きに行ってくる」

 周りから族の総長だと思われている紅緒が、警察署に行くのか……と桃花がジッと見てしまう。

「俺が連行されたみたいって心配してるのか? 警察との会議場所は、別にあるから心配するな」

「そ、そっかよかった」

 なんでも顔に出ているのかと思って、慌ててしまう。
 
「総長総長~! 俺も行く!」

「柘榴、お前はもう少し勉強しておけ」

「えぇー!!」

 桃花は昨日、公園で感じた黒い霧の気持ち悪さがまだ残っていた。

「お前たちは、学園内でも情報を探ってくれないか。ただし、まだ行方不明という事は内密にしておけ。学園側でもまだ彼女は欠席扱いにしてある」

「ちぇー午後の授業だるー」
 
 柘榴がつまらなさそうに言う。
 
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