【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
「柘榴、勝手な先入観を持つな。これは犯人側の誘導という事も考えられる。明日から行方不明事件として一部で公開され警察も動いている。新たな情報もあるだろう」
令嬢ということもあり秘密裏なのだろう、と桃花は思う。
「辰砂、お前はネットで情報を集めてくれ」
「わかった、任せてくれ」
辰砂が手を挙げる。
「柘榴。お前は男連中と仲がいい。ゲームのことについて色々聞き回ってくれ」
「了解っ!」
「珊瑚は、女子達に話を聞いてくれ。行方不明ということはまだ生徒には秘密だが、交友関係を中心にな」
「あいよ~女の子って噂話好きだから、慎重に行くよ」
「ねぇねぇ僕は~~?? 紅お兄ちゃん」
「お前は……先生に少し話を聞いてみてくれないか。ほどほどに催眠を使え」
『催眠』という言葉にギクっとするが、彼らはあやかしの一族だ。
色々な術が使えて当然だ。
彼らは人間を守るために、戦ってくれている。
「茜は学園内の結界にほころびがないか確認をしてくれ。俺の使い魔で補助する」
「了解でーす!」
「桃花は……」
「は、はい!」
「……とりあえず、待機」
「はい」
『何かできる!』と言ったものの、今は何もできることはない。
シュン……とする桃花の頭を紅緒が優しく撫でる。
「一緒に立ち向かってくれて、ありがとな」
「(……なにもできないのに……)」
その後の会議は少しの雑談となり、解散になった。