【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
「はっ!?」
キィイイイイイイイイイン!!
と鳥が羽ばたくような音が聞こえた!!
「これは……」
嫌なあの黒い霧を感じる!
行かなければ! 強烈な想いを感じた。
桃花は慌てて風呂を出る。
「きゃ!? 桃花ちゃん!?」
夕子が脱衣所で、桃花がお風呂から上がる準備をしているところだった。
恥ずかしがっている場合ではない。
「夕子さん……! あの、私もう出ます! 服は!?」
慌てて身体を拭いて、制服を探す。
「制服は、浄化してお戻し致します、代わりにネグリジェのご用意とミネラルウォーターを」
「いえ! 今すぐ出かけます! 制服でいいから、ください!!」
「ええ!? 今からですか!?」
「はい!」
髪がしっとり濡れて、湯上がりの肌のまま桃花は制服を着てリビングへ走る。
あの黒い霧の気配を見失う前に!!
「も、桃花!? お前は風呂に……」
「紅緒くん! 行かなきゃ!」
「!? 何があった」
困惑してタオルとドライヤーを持ってきた夕子より先に紅緒が察した。
四天王達も驚いて見ている。
「行かなきゃ……!」
「わかった、行くぞ!」
濡れた髪のまま、桃花は紅緒が差し出した手を握り二人は部屋を飛び出した。