【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
◇◇◇
「くしゅん」
「大丈夫か」
「うん……」
スマホを見つけた後。
紅緒は鳩田に連絡をして、鳩田はすぐに駆けつけてくれた。
公園を封鎖し、周りには警察だとバレないワゴン車で話を聞いたあと、寮まで送り届けられたのだ。
「湯冷めしただろう」
「ううん、全然平気だよ」
最上階までの、長い長い高速エレベーターに乗る。
高速だが、最上階までは少しかかる。
「……間に合わなかったんだよね……」
まだ手のぬくもりが、残っていたスマホだった。
あと少し早ければという思いが桃花を暗くさせる。
「違う、桃花のおかげで最速で状況を更新することができた」
「でも……私が、もっと……」
まだ髪が濡れている桃花が、フラリとよろけた。
神経を集中させ続け、その疲れが一気にきたようだ。
「桃花……!」
紅緒が抱きとめ、支えてくれる。
「いいか。余る力を持つと、人でもあやかしでも迷うもんだ」
「……余る力で迷う……?」
「あぁ……突然の力には誰でも迷う。自分の力に目覚めたばかりなんだ。それでも俺も四天王も茜も……みんないるからな」
「うん……」
「だから、俺達みんなで解決するんだ。いいな、一人で背負うのは許さない」
その紅緒の強い言葉を聞いて、強く抱きしめる腕の力で桃花はわかった。
「うん……わかった……ごめんね、ありがとう紅緒くん」
「桃花……俺は……」
「紅緒くん……?」
エレベーターが開くと、扉の前で待ち構えていた四天王に茜に夕子が大騒ぎしていた!!