【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
「制作者は『KS信者』っていう名前だ。このゲーム。深く潜る必要があるかな」
「ふかくもぐる……?」
「あぁ儀式の準備が必要だ。とりババに要請しておくか……」
とりババとは、桃花のおばあちゃんの事だ。
紅緒はスマホを取り出して、メールを打っている。
実はおばあちゃんもSNSをやっていて、桃花にメールをしてくるハイカラおばあちゃんなのだ。
「儀式……危なかったりしない?」
「大丈夫さ。俺はお前が傍にいると、普段より力が湧く気がする……いや、実際にそうなんだと思う。俺は炎を操る鬼のあやかしの一族なんだ。桃花が不死鳥の巫女だから恩恵を受けてるんだと思う」
「そうだったんだ……わ、私も紅緒くんと一緒にいると安心……する」
一瞬、紅緒がこっちを見た。
「あっ……こ、これは関係なかったかな……へ、変なこと言っちゃった」
「いいんじゃないか」
そう言うと、紅緒は目を閉じて寝始めた。
二人きりの少しの時間。
桃花も目を閉じると、紅緒の温かいオーラを感じて安心する気持ちになれた。
「ふわーあ。少しだけど、まぁ疲れもとれたか」
「うん、あ私ちょっと……」
「じゃあ先に戻ってるな」
「うん」
昼休みが終わる前に、桃花はトイレに行こうと寄った。