【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
「桃花?」
座ろうとした桃花に、紅緒が声をかける。
「桃? 顔色悪いよ」
茜も心配そうに聞いてきた。
「あ……あの大丈夫」
慌てて笑顔を作る。
「どうした」
紅緒がそれでも、桃花に聞く。
「(どうしよう、なんて説明したらいいの? 初めての感覚でよくわからない……)」
「桃花、何があった?」
「紅緒くん、あとで話すから心配しないで……」
紅緒が隣の席から手を伸ばす。
「俺の手を握れ」
「ひゃ!?」
「ひゅー飛鳥様、お熱い~」
「茶化すな茜。ほら桃花」
「……う、うん……」
クラスメイトが全員、注目してるのはわかっている。
戸惑いながら、紅緒の手を握った。
「うん……少し穢れに触れたか」
「あっ……」
紅緒の手が熱い!
そして一気に豪炎が桃花を包む。
でも、熱いわけではない。
むしろ優しく包まれているように、流れ込んでくる優しさ。