【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
「うわー怖い人だね。お姉ちゃん優しすぎるよ」
「なんだか圧倒されちゃって……」
「嫌な穢れを感じたか」
「うん。でも黒い霧までは感じなかったの……あんなに傍にいたんだから、もし当事者なら濃い霧を感じそうだから……違うのかな」
「じゃあ違うだろ。いいか? 地味子! 恨み持ってるやつなんか世の中にいっぱいいるし、そういうのにお前みたいな存在はすーぐ穢されてしまうもんなんだよ。気をつけろよ」
柘榴がズイ! と桃花に近づいて言った。
「そっか……」
「その可能性もあるが、蒼玉が関与していたら自分の霧の繭に包んで隠すことならいくらでもできる」
「そんな事できるの?」
「あぁ俺達にバレないように細かく偽装するのは、あいつの得意技さ」
紅緒が呆れるように言う。
「(紅緒くん達ですら見破れないのなら、私なんて絶対無理だよね……)」
「姫、その女生徒の名前は?」
「あ……ごめんなさい。聞いてなかった……顔を見ればわかると思うんだけど」
「お姉ちゃん、そのゲームでフレンドになったんでしょ? そのフレンド名を見たら??」
「こういうゲームで本名なんか使わないぞ苺」
「でもとりあえず見てみるね……」
桃花がスマホゲームを起動した。
桃花にはもちろん、一人しかフレンドはいない。
「この子かな……」
「『死神裁判官』……ふぅん、なかなか闇が深そうな名前だな」
「こいつ、ログインしてるぞ。ほら誘ってきた」
柘榴が言うように、確かに名前の横になにかマークが付いている。
そして『あなたはゲームにさそわれています』と画面に出てきた。
「えっ! えっ! 柘榴くんやって!!」
「仕方ねーな! 任せとけ!」
柘榴は『参加』のボタンを押してゲームが始まったのだ。