【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
深く潜る儀式
野崎先生まで行方不明になった……。
その日の朝、鳩田からの資料で、彩子は桃花が話した少女本人だとわかった。
なのでC組を訪ねてみたが、今日は欠席のようだった。
そして昼休みになり、無断欠勤をした野崎先生が行方不明だと、理事長経由で連絡がきたのだ。
「くそ!!」
四天王や茜が集まったテラスで、苛立つ紅緒。
行方不明者が、三人になった。
行方不明になった二人も見つからないままだ。
「私、何も感じなかった……」
「あの時はタイミングが合っての事だと思う。野崎先生は、隣街から通勤している。離れていたから察知もできなかったんだろう」
辰砂が桃花に言う。
「総長、先生のスマホにあのゲームが入ってるのか、わかったか?」
「鳩田さんが今、ロック解除をしてくれようとしている。だが待っている時間ももったいねぇ」
珊瑚の問いに、紅緒が答えた。
「蒼玉のやつら、今まで以上に悪質になってるよな!! えげつねーよ!!」
「宣戦布告だろう、桃花姫が俺達の元にいるからな」
柘榴の叫びに、辰砂が言う。
「……私のせい……」
「そうじゃないよーお姉ちゃん。アイツラが必死にアピールしてるって意味だよ」
苺がうつむく桃花を、心配そうに見た。
桃花の食欲は、明らかに減っている。