【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
「紅緒様……!! よくぞいらっしゃいました!!」
おばあちゃんは、土下座するように頭を下げる。
「やめろよ、とりババ。儀式を急ぐ!」
「ひっひっひ、言われた儀式の用意はできております」
「あぁ……ババ、サポート頼めるか? 桃花にも頼んでいる」
「はぁ間違いがあっては大変なことになる儀式です。精一杯務めさせて頂きますじゃ……」
「大丈夫だ、じゃあ、桃花準備しろ」
「は、はい」
おばあちゃんのお付きの方から清めを受け、巫女服を着せてもらった。
案内された場所は、吹き抜けになっていた。
松明が四方に燃えて、空が見える。
そろそろ夕焼けの頃だが、まだ明るい。
「来たか」
紅緒は真っ赤な袴を着ていた。
「紅緒くんも」
「一応な。これを着ると、力が少し増す」
紅緒が立つ祭壇には、スマホが置いてある。
そのスマホはアプリゲームを入れただけの、誰に思念も入っていない新品のものだ。
とりババ達、四方に立った巫女達が低い声で儀式の歌を歌い始める。
鈴の音が鳴り、和楽器の演奏が始まった。
桃花は紅緒の横に、立って見守る。
「このゲームに込められている制作者の念を探る」
「そんなことが……」
「深く潜れば、このゲームが関係あるのか見る事ができるだろう」
「わ、私はどうしたら?」
「見守ってくれ、傍にいてくれるだけで力になる」
「はい……!!」