【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
確かに無料アプリでは、ほとんどに広告が入る。
紅緒の頭のなかで、桃花の頭のなかで、何かパズルがはめ込まれた。
紅緒が自分のスマホでゲームを開く……。
ゲームを進めると、広告が入り何度か繰り返す。
「俺では駄目だな……」
「私がやってみる……!! あの時は柘榴くんにやってもらったから出なかったのかも!」
「そうだな、頼む」
桃花がゲームを開いた。
慣れないゲームを数分、し続ける。
「こ、広告……あっ……」
すると……嫌な空気とゾクリとするもので背筋が凍る。
紅緒が桃花からスマホを取り上げ、通信を切断させた。
「これだ……わかったぞ……」
ゲームそのものではなかった。
原因は広告にある!!
「お前! 名前は?」
「たたたた田原英介です。高等部3年の天才プログラマーって有名です……あれ、そういえば君は……ま、まさか総長飛鳥……?」
「初めて聞いたぞ。わかった、俺は覚えておこう。お前は忘れろ。桃花、戻るぞ!!」
「はい! 紅緒くん!」
紅緒から、手を伸ばされて桃花は思い切り抱きついた。
解決の糸口が見つかったのが嬉しかった。
「桃花……」
「これで解決するよね!?」
紅緒もしっかりと桃花を抱きしめる。
「ああ、するさ……! 戻るぞ!!」
抱きしめあった二人が、男子の前からスーッと消えていく。
田原は二人を羨ましそうに見つめて、一瞬バタリと倒れた。
「な……なんだあれは……ん? 僕はなにを……あぁ~もうこんなホラーゲームじゃなくて恋をするゲームをつくろうかな……じゃあまずは学校へ行くか……なんかいいカップルを観察しに行こう……」
ふらふら……と男子は立ち上がって、カバンを手に取り玄関へ向かった。