【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~

意地悪女子からの洗礼

 始まった桃花の中学校生活。
 桃花は、怯えながら飛鳥の隣の席で机の中に教科書やタブレットを仕舞う。
 窓際の飛鳥は少し開けた窓からの風を浴びて、ふわああ~とあくびをして机に突っ伏した。

「ねむ……ふあ~」

 寝始めた?
 これから一時限目の授業が始まるというのに……。
 今はやっぱり刀なんか持っていない。
 コスプレイヤーには見えないし、特殊な幻覚だったのだろうか。
 
「……ぐう」

「寝ちゃった……」
 
 総長で? 学年首席で? 顔は相当かっこいいイケメン。
 ピコピコと紅いメッシュの髪が揺れてる。
 
 謎の多い美男子……。
 
「ちょっといい? 朱雀さん」

 一人の女生徒が話しかけてきた。
 校則で禁止なはずの色付きのピンクのゴムで髪をツインテールに縛り、派手な感じだ。
 桃花に話しかけてきたのに、チラチラと寝ている飛鳥を見ている。

「あ、よろしくお願いします。朱雀桃花です。えっと……あなたは」

「ねぇ~朱雀さんって朝、飛鳥様と話してたってホント?」

 名前を聞いたつもりだったのにスルーされる。
 隣で寝ている飛鳥には聞こえないような小さな声で呟かれた。

「えっ……」

 女子の目がギラッとした。
 周りの女子も桃花を見ている。

 これは明らかに敵意だ!
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