【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
桃花がパジャマが脱ぎセーラー服姿になった。
茜から受け取った靴も履く。
最初からの作戦だったのだ。
「1年C組の佐野谷彩子だな? まずはお前の事情を聞いてやる! 行方不明の三人に一体何をされた?」
彩子に何か事情があるのなら、紅緒は救う気持ちがあった。
行方不明の人達だけではない、彩子も救おうとしてる紅緒の優しさを桃花は感じた。
「あいつらは……あいつらは、この素晴らしいゲームを馬鹿にした! 気持ちが悪いって馬鹿にしたんだよぉ!」
「なんだと……」
「せっかく私が教えてやったのに! 学園の流行にしたのに!! 気持ちが悪いからもうゲームの話をすんなって言ったんだよ! ふざけんな!」
「人にはそれぞれ好みがあるからなぁ……そう言われて、三人を?」
『ふくしゅう鬼ごっこ』は楽しいと思う人もいるかもしれないが、嫌悪を感じる人がいて当たり前のゲームだろう。
それが彩子に対する嫌がらせではなく、ただの意思表示ではと桃花も思った。
「あんたが引き金だよ! 総長飛鳥!」
彩子は顔を歪ませながら総長飛鳥を指差し、後ろの化け物が醜い叫び声をあげた。