【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~

転落地獄……!

 
 彩子に吠えられ、紅緒が眉をひそめる。

「俺が?」

「あんたの、あのふざけた放送を聞いて、やつら謝ってきやがった……それが逆にムカついたんだ! 同情なんかいらないよ!」

「同情? じゃあ野崎先生も……!?」

 桃花が、彩子に問いかけた。
 桃花が帰り際に見た野崎先生は、彩子を心配して声をかけていた。
 
「そうだよ……何かあったら相談してね、なんて自分が美人でモテるからって見下しやがってぇ!! だからあたしの気持ちがわかりたいなら、フレンドになってゲームやれ! って言ったんだよ! いっひっひ!」

 醜く歪んだ顔で叫ぶ少女から、湧き上がる黒い霧。
 
「紅緒くん、あの子から黒い霧が……」

「元々、少しはそういう恨みはあったんだろうが悪い干渉を受けて、悪い芽がどんどん育っていったんだろう。あの化け物は蒼玉の臭いがプンプンしやがる……!」

「もう、こんなゲームはどうでもいい……! 蒼玉様にもらった、このあやかしで人間を誘い出すのが楽しくなっちゃったんだよぉおおおお!! ギャハハハハハ!! 総長の女ぁ!! 偽善者のお前も食ってやる……!!」

「行方不明の三人は喰われちまったのか!? 総長飛鳥! どうする!!」

 柘榴が叫んだ。

「三人はまだ、あいつの腹の中にいる! 怪我をさせないよう、慎重に化け物を始末し、助けるぞ!」

 その時、初夏の公園に凍りつく風が吹く!!
 ゾクリと、全員が凍ったように震えが襲った!!
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