【完結】不死鳥の巫女はあやかし総長飛鳥に溺愛される!~出逢い・行方不明事件解決篇~
決戦!!桃花の願い火
蒼玉の放った妖魔の群れと、彩子の妖魔、そして変化し始めている彩子とのバトルが始まった。
「妖魔の数、およそ150!! 女生徒の妖魔には三人が拘束されている模様! 女生徒は妖魔化が進行中! みんな気を付けて!!」
公園の外から結界を張っている茜が、四天王達に叫ぶ。
なんという数!
しかし四天王も、もちろん紅緒にも怯えなどかけらもない。
「柘榴!! そっちに行ったぞ!」
「オッケーーい!!」
辰砂の言葉に応えるように、柘榴が滑り台の上から大ジャンプをして大きな妖魔を二体頭から足まで一刀両断する。
「苺! 上空の二体は任せた!!」
「うん!」
兄の珊瑚に応え、苺が自分の刀を振るうと炎のブーメランのような衝撃波が走って夜空を舞う二体の妖魔が粉砕された。
真っ暗な公園が彼らの戦う火の粉によって照らされる。
空に無数の花火が舞い上がるようだった。
「す、すごい……!」
「桃花、お前は此処にいろ」
「紅緒くん」
紅緒は抱き上げていた桃花を、そっとブランコの周りの仕切りの中に立たせる。
紅緒が護符を手から投げると、そこは炎の結界になった。